[主催・監修]

姉咲たくみ

2017

10.10        −    10.15

11:00 - 20:00(最終日は18時までです)

会場

The Artcomplex Center of Tokyo

アートコンプレックス・センター

反重力建築展について

反重力は未だに空想科学の分類とされ、SF扱いされてきた。 しかし、時が経てばいつしか反重力が可能となった未来が訪れるだろ。そのとき建築は重力から解放さる。それまでの既存の形や考え方から逸脱し新たな「建築」として生まれるだろう。ここでは「反重力建築」テーマに制作された建築ドローイングを基に反重力が可能となった世界の建築について展開しながら物語を組み立ていく。

​そして「反重力建築」は空想の産物ではなく後の未来に対しての提唱と科学のロードマップのさらなる上の「超未来へのハイパーロードマップ」を基軸にレクチャーイベントを会期中に開催する。そこでさらに「反重力建築」に踏み込んだ内容を姉咲たくみと押山玲央と2人で構想の組み立てを行う。

レクチャーイベント

『反重力建築の姿と世界』

10.14(土) 17:00から

レクチャーゲスト

入場無料

姉咲たくみ

(建築芸術家)

押山玲央

(Unbuilt architect)

​経歴

1988年新潟生まれ。長岡造形大学大学院造形研究科修士課程建築学領域を2013年に修了。在学中から非主流建築を専攻。その一方で独学ペン画を学び、2013年に超未来建築を研究することを目的にANOMaLY studioを設立。現在、東京を拠点に海外で活動している。

​経歴

1991年山梨出身。2014年に東洋大学理工学部建築学科藤村龍至研究 卒業。2015年 株式会社アプリクラフト 入社をする。

2017年 Ninja Evolution Object 設立。Unbilt archtectureとして活動中。 Rhinoceros+Grasshopperを用いてモデルリングや受託開発も受ける。

メッセージ

​経歴近年、宇宙探査が飛躍的に大きく拡がり、地球と似た星がいくつも発見されました。
そして私たちの生活にもAIが参入されつつあり、VRも仮想空間の拡大化は日に日に増します。
また医学においても不老不死の実現は20年以内に可能だと言われいます。昔は不老不死が実現するのは400〜500年かかるのではないかと言われていました。
反重力に関しては今はまだ空想の域です。しかし、今年に入り反重力に関する研究成果が米研究チームによって負の質量を持つ物質の生成に成功したと記事が上がりました。これから各研究機関での追試が行われるそうです。
この成果が実現され、一般化されるようになれば反重力建築の可能性も高まると思えます。
ただそれが可能となるにはまだまだ先の事になるでしょう。いずれ誰かが実現してくれると考えています。
そしてその未来の"誰か"に向けてこの反重力建築展を企画しました。芸術の持つ力はずっと先の未来を想像する力を持ち、時には提唱者、伝達者(メッセンジャー)となります。もちろん建築にも同じ力があり、どちらも未来を想像できます。そして新たなフロンティアを反重力建築展を通じて展開していきます。

​姉咲たくみ

メッセージ

​今回、反重力建築展のトークイベントにお誘いいただき大変嬉しく思います。と同時に反重力建築展の参加者が想定していたよりも多く大変驚いております。
なぜかといえば、現代の社会の動向とすれば肥大化し過ぎた都市をどう縮小していくのか問われながらも、AIというワードに代表されるようにテクノロジーの導入(建築で言えばBIMなど)が推進され、世界から遅れをとらないようにしなくてはいけない。しかし、人手は不足しかつ、今までの社会保障は機能を失いつつあり、よりシビアになりつつあるように感じています。いろいろな問題に板挟みになり、かつ将来の社会像に閉塞感がある中で、「反重力」どころではないのが一般的な感覚かなと思っていたからです。
その中でもこのような非現実的な内容に関心を寄せていただいたことに大変嬉しく思います。私自身も曲面造形に関心があり、これからの建築の形や空間の可能性について話し合う機会を頂き大変嬉しく思います。
姉咲さんありがとうございます。
今回のトークイベントでは、建築芸術家の姉咲さんのイメージを元に現状の建築空間や形と対比させながら話が出来ればと思っています。みなさんにお会い出来るのを楽しみにしています。

 

​押山玲央

​総評

若林拓哉

(建築家/ウミネコアーキ)

メッセージ​ANOMaLY studio/建築芸術家として活動されている姉咲たくみさんによる、構想から7年越 しの個展「反重力建築展」。 その関連企画であるレクチャーイベントでは姉咲さん×押山玲央さん(Unbuilt architect)に よる対談形式で展開し、姉咲さんの人物背景を踏まえつつ、反重力建築の意義・可能性といっ た話が 1 時間程度でスマートに議論された。以下はそのやりとりを踏まえてのコメントである。

姉咲さんの作品は直感的に理解できる魅力に溢れている。SF 系の RPG ゲームや映画・本等に 触れたことあるなら惹きこまれる方も多いはずだ。得も言われぬ憧れの世界がそこにある。 それらの世界にも背景となるストーリーがあるように、彼の作品にも綿密なストーリーが通底 している。その根幹に「反重力」という概念があり、実は夢物語などではなく、いずれ(いつ になるかは分からないけれども)実現可能な世界である。

建築的にみてとても興味深いのは、「反重力」が既成の建築における概念を刷新する/完全に 解体する可能性があるということだ。かつて磯崎新氏の著書『建築の解体』で登場したアーキ グラムやスーパースタジオといった、1960〜70 年代の建築界を賑わせたヴィジョナリー・ア ーキテクトとも呼ばれる建築家たちのプロジェクトからの影響がもちろんあり、作品の端々に 見てとれる。だが、やはりそれらをリアルに実装する最大の課題は、物体における<質量>と <重力>だろう。 これはそのまま現代における建築物全般にも通じることで、建築の形態および空間はなにも人 間のためではなく、その殆どが構造的(とそれに追従する経済的)要因から規定されている。 その足枷が外れたとしたら、いったいどれだけ建築は自由になれるのだろうか?

また別の観点で面白いのは、「反重力建築」の背景にあるストーリーである。それは多分に社 会風刺が含意されていて、<人間と空間の在り方>に対して非常に示唆的だ。

――様々な国籍の人間が集合する建築/空間の様相の現れ方=作品中では各国の建築様式が記 号として混淆的に表出している。多様な人間を公平に受容する建築/空間とは、あらゆるパタ ーンを包摂したキメラなのだろうか。

――人間が地上を離れ自由に移動できる時に発生する国境の問題=コスモポリタン的になった 世界になっても尚争う人々。パラグ・カンナの『「接続性」の地政学』を想起させるような移 動の自由度における極北では、再び衝突が生まれるのだろうか。

――空中都市においてあらゆる生物はどのように生存可能か=早すぎる進化を遂げる人間とそ の他の動物は居住域を分断せざるを得ないのだろうか。「反重力」というテクノロジーの発展 がすべての動物の生存権を脅かすことになるかもしれない。

――超過密都市において空白となった地帯には何が発生するか=圧倒的な自然と居住環境が共 生するのだろうか。バブル期の首都圏におけるハイパービルディング構想や八束はじめ氏の著 書『Hyper den-City』を想起させる、或る種のディストピアチックな、しかし欲望的な姿。 展開は尽きない。それはつまり、一種の物語としてとても強度があるということだ。「反重 力」がもたらす<自由>はいかにして人間を<不自由>にしていくか、という表裏一体の関係 性がどの作品にも込められている。

こんなアンリアルな議論に何の意味が、と思う方もいるかもしれない。しかしながら、これら はリアルを相対化するために非常に重要な視点である。むしろこういったパースペクティブを 持ったうえでリアルな創作活動をするか否かによって、成果物が決定的に異なってくるだろ う。 即物的に判断することを余儀なくされる昨今。どうしてもそこから距離を置くためには、それ 相応の思考回路と行動手段というものが必要になる。現実的な眼前の課題に向き合う一方で、 抽象的でメタファーやアイロニーに満ちた議論を展開する。その往復運動と射程距離こそが、 作品における奥行感、そして強度に反映されるのではないだろうか。そういった意味で、姉咲 さんは我々に勇気を与えてくれる作品を数多く手掛けている稀有な存在と言えよう。

ぜひまた次回の展覧会を楽しみにしたい。

若林拓哉(建築家/ウミネコアーキ)

会場アクセス

The Artcomplex Center of Tokyo

アートコンプレックス・センター

 

〒160-0015 

東京都新宿区大京町12-9 12-9

Daikyo-cho, Shinjuku-ku Tokyo

 

Tel/Fax: 03-3341-3253

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